山は暮れて野は黄昏の薄かな (与謝蕪村)

遠く山々はすでに暮れ、近く野原は黄昏に染まり、残照に薄が白く輝いている…
遠くの山々と近くの野原。
とっぷりと暮れた様子と、かすかに残る日に照らされた様子。
その対比の中で、白く浮かびあがる薄の穂波…

たとえ見たことがなくても、とこか懐かしさを感じる、秋の夕暮れの世界です。

国木田独歩は、『武蔵野』の秋の情景をつれづれと書き綴る中で不意にこの句を引用し、秋の情景をさらに深く印象付けることに成功しました。

君はその時、 

   山は暮れ野は黄昏の薄すすきかな

の名句を思いだすだろう。

引用が美学に転化するその様子には、連綿と続く文学の発展を感じます。才能と才能が作用しあう凄まじさには惚れ惚れとしますが、でもその始まりや根っこにあるものは、実はシンプルな「好き」という気持ちひとつなのかもしれません。
大好きな作品の巻末の参考図書。気になる作家さんが好きな音楽。作品で触れた歴史上の人物について、もっと深く知りたくなってみたり、SNSで紹介されていた作品が気になってみたり。
「好き」や「好奇心」は、どんどんつながり、そして私たちの感性や心を磨いて、世界をどんどん広げてくれます。物寂しい情景から、白く輝くなにかが浮かび上がる。そんなステキなものに、触れてみませんか。

ほんだらけでは、文庫や単行本、雑誌、漫画、同人誌、写真集、CD、DVD・Blu-rayなど、幅広いジャンルのものを取り扱っております。
お近くのほんだらけへ、ぜひお越しください。連綿とつながる「好き」の始まりは、きっとみなさんもうすでに手にしています。

 

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