雨の季節に移り行く6月。天気予報の傘マークは気になりますが、しっとりとした水と緑の組み合わせが美しい季節でもあります。
をちこちに 滝の音聞く 若葉かな 与謝蕪村
遠く近く 彼方此方から 滝の音が響き、視界はただ、若葉に埋め尽くされている。
大小さまざまな滝をかかえる渓谷に分け入り、若葉広がる木立の中へ。目には見えずとも、音に聞こえる滝の風景。自分自身を包み込む、むせかえるような緑の世界……。
遠近法を得意とした蕪村らしい、奥行きがある風景です。「をちこちに」から始まるこの俳句は、声に出して読むと、リズミカルな音の調べがなんとも爽やかに響きます。
目で見て美しい言葉と、音に聞き美しい言葉とは、異なることもありますが、これはそのどちらも両立しています。「俳句」や「詩歌」、「物語」も、もともとは「口で伝えること」や、「語ること」が始まりです。現在では、読書というと「黙読」が主流となっていますが、たまには声に出して読んでみるのも楽しいのではないでしょうか。
「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり」
「どっどど どどうど どどうど どどう」
音読には、ストレス軽減や、思考力の向上、感情のコントロールにも効果があります。脳が活性化し、ささやき声でも効果がありますので、さっそくチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
本はこころのごはんです。
ほんだらけには、音読向きの絵本や、古典文学、詩歌などもたくさんございます。ほんだらけは、ほんとうに「ほんだらけ」。あなたの街の、本棚です。ほんだらけはいつでも、たくさんの本をご用意して、皆様のご来店をお待ちしております。
昔読んだ本が、今になって新しい感動を与えてくれたり、1冊の本をスタートに、数珠繋ぎのように気になる本が次々に生まれてきたり。発売されたばかりの本も、100年前に書かれた本も等しく、『今』あなたと出会うことで、生まれる何かがきっとあります。読書って、本当に楽しくって、おもしろい!
ただ、古本との出会いは一期一会。ステキだな、と思った本が常にあるとは限らないのが、古本の世界。「おもしろそうだな」と思える本と出逢ったなら、ぜひ手に取ってみてください。その本は、あなたを新しい世界へ誘ってくれる本かもしれません。