山から吹く風に揺れる美しい花、山吹。

しなやかな細い枝に花をたくさんつけ、垂れ下がるように咲く花、山吹。晩春になると、山を黄色の花で埋め尽くします。山から吹く風にしなやかに揺れるその様子「山振り」から、転じて「山吹」と言われるようになりました。

「ヤマブキイロ」と言えば、クレヨンや絵の具にも使われる、赤みを帯びた美しい黄色。「山吹色=やまぶき-いろ」なのに、幼いころは「やまぶ-きいろ」とだと思っていた…という勘違いも、よくある話として定着するほど、日本で古来から親しまれている花の色です。

古くは万葉集に詠まれ、万葉の人は、「生命の泉のほとりに咲く永遠の命を象徴する花」と信じていました。また、中宮定子が清少納言へ、自分の思いとお互いの絆を託しおくったのも、山吹の花でした。

われがなほ 折らまほしきは白雲の 八重にかさなる 山吹の花(和泉式部)
(私がやはり手折りたいと思うのは、積み重なる白い雲のように何重にも重なって咲く山吹の花です)

山吹の花が山を黄色に染め、薫風に揺れるように、本は、きっとあなたの心に爽やかな風を吹き込み、鮮やかな彩りを与えます。「読書」は確かにあなたの心を癒し、花開かせる力を持っています。

本は心のごはんです。

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