【めがね橋店】今月の店長のオススメ(2022年2月)

読み物

タイトル
プレヴェール詩集
著者
小笠原豊樹
出版社
岩波文庫

「ああ思い出してくれないか ぼくらが恋していた幸福な時代を あの頃のくらしは今より美しく太陽はもっと明るかった 枯葉を集めるのはシャベル ね ぼくは忘れていないだろう……(「枯葉」より)」
恋愛映画の脚本化・作詞家・詩人といくつもの顔を持ち、フランスの国民的詩人とも言われているジャック・プレヴェールの詩集。上品なユーモアと人間愛にあふれた彼の感性が優しく染みます。傷ついた夜に手元に置いておきたい1冊です。

 

コミック

タイトル
ぼくのお父さん
著者
矢部太郎
出版社
新潮社

「大家さんと僕」の優しい作風と世界観で、お笑い芸人としてだけではなく漫画家としても活躍する矢部太郎さんが、自身の父親について描いたエッセイコミック。
絵本や紙芝居を作る仕事をしていて、いつも家で絵を描いている穏やかでのんびりとした自由奔放な「お父さん」は、どこか現在の矢部さんの姿とも重なります。
矢部さんのルーツを知ることができる、穏やかな笑いに満ちた作品です♪

 

その他:DVD

タイトル
無法松の一生
主演
阪東妻三郎
発売元
角川映画株式会社

阪東妻三郎・三船敏郎・勝新太郎・三国廉太郎。
時代の名優たちが過去4度にわたり演じてきた名作「無法松の一生」。
こちらは阪東妻三郎が演じた一番最初の作品です。

車夫・松五郎は、陸軍大佐の一人息子である敏夫を偶然助けたことがきっかけで、大佐の家に出入りするようになる。ほどなくして大佐が急逝した後、松五郎は未亡人となった夫人と敏夫に対して献身的に尽くし始めるのだった……。

喧嘩っ早いが無骨な優しさに溢れた車夫・松五郎の一途で不器用な愛情と、切なくも美しいストーリーに綺麗な涙が流れます。
GHQの検閲により一部映像が切断されながらも、時代を超えて日本映画史上にその名を輝かせる珠玉の名作です。