桜の開花を待ちわび、花盛りに喜ぶ。
散り際の美しさにため息をつき、散った桜花を惜しむ。
そして、葉桜の季節へ……というのが、多くの人にとっての「桜」でしょう。
でも、花の名残と葉桜の間に、「桜蘂降る」季節があることをご存知ですか。
桜の花びらの付け根にある、紅色の小さな星のような萼-ガク-。
そして、花びらの中心にあった、紅色の細かな蘂-シベ-と、茎。
花びらが全て散ったあと、やがてそれらが春の風にさらわれ、さらさらと、ひそかな音を立て降りしきり、地面を紅く染める様子を、「桜蘂降る」と言います。
水面を桜色に染める「花筏」のような華々しさはありませんが、紅色の萼と蘂が散り敷かれた様には、風情があります。
「言葉」って、とても素敵ですね。
言葉を知るからこそ、人は様々なものを「識別」し、「認識」することができると言われています。
今年は、桜の花びらが散ってしまったあと、空を仰いでため息をつくのではなく、小さな美しさに染まる足元を見つめてみませんか。
そして今まで気づかなかった、小さくて、深くて、美しい世界を見つけてみませんか。
本は心のご飯です。
ステキな言葉に出会いに、ぜひほんだらけにお越しください。
あなたの人生を豊かに彩る本が、きっとございます。