【時津店】今月の店長のオススメ(2025年10月)

読み物

タイトル
図書館戦争
著者
有川浩(有川ひろ)
出版社
メディアワークス/角川書店

有川ひろの出世作であり、脚本家:野木亜紀子の出世作でもある「図書館戦争」。ライトノベルなのに文庫ではなく「ハードカバー」で発売され、そのあまりの売行きに、なかなか文庫化されなかったお化けライトノベル小説でした。もともと大好きだったこの作品が、漫画化され、アニメ化され、どちらもとても「当たり」のメディア化であったため、逆に映画化の報を聞いたときには、「映画化かぁ…」と不安になったものです。その不安は、安心と信頼とワクワクに塗り替えられるよ!とあの頃の自分に教えてあげたい。

初出が2006年。「表現や言葉を取り締まる法律が成立して30年という架空の日本で、『本を守る』図書館員たちの戦いと日常を描いた作品」を、19年前は、エンターテイメントとして読み、受け止め、表現の自由を勝ち取ろうとする主人公たちに心躍らされていたのに、今はもっと身近な現実感をもって読まれるものになってしまいました。

今なお色あせない、ステキな作品です。

 

コミック

タイトル
本好きの下克上
著者
鈴華、波野涼、勝木光
出版社
TOブックス

SFファンの投票によって2025年「星雲賞(日本長編部門)」に選ばれた初の異世界系ライトノベル作品。星雲賞といえば、筒井康隆、小松左京、田中芳樹、眉村卓などが受賞している日本のSF系ジャンルにおいて最も長い歴史を誇る賞です。

すごい。

識字率が低くて本が少ない異世界に転生した本好きの女子大生が、「めざせ図書館司書!」「本がないなら作ればいい!」と奮闘する物語。

本好きの下克上の小説が発売されると聞いたとき、「TOブックス?…知らない。もっと大手から出版して欲しかった…」「あ、でもイラスト椎名優先生か。よかった!」と思うほど、当時まだ無名の出版社でした。その後、人気は広がり、漫画化することになるのですが、当時TOブックスにはまだ漫画部門がありませんでした。そこで、まずはニコニコ静画 内『ニコニコ漫画 (公式)』で発売されたあと、電子書籍が発行。TOブックス初のコミック発売を経て、紙のコミックが発売されました。小説単行本、児童向け小説、コミック、英語学習用今や世界のあちこちで翻訳され、発売されています。「本がないなら作ればいい!」を地でいく、すごい作品&漫画です。

 

絵本

タイトル
和の行事えほん
著者
高野紀子

「お彼岸ってなあに?七五三の意味は?お正月の行事あれこれなど、由来と意味を知れば、季節の行事はますます楽しくなる!」

春と秋が短くなって、四季ではなくこれじゃあもう二季だよ、という時代になりましたが、それでも日本の美しい行事はたくさんあります。可愛らしい絵と、書き込まれたたくさんのステキな言葉と文化たち。こどもはもちろん、大人も手に取って、学んでほしい一冊です!