梅白し まことに白く 新しく

現代の日本人にとって、花見の花といえば桜を思い浮かべる方がほとんどでしょうが、古来は花といえば梅でした。古文や国語の授業で初めて習って、少し驚いた方も多いのではないでしょうか。日本に現存する最古の和歌集である万葉集では、桜を詠んだ歌は約40余首。それに比べ、梅を詠んだ歌は約120首となります。
万葉の時代にあった梅は白梅のみで、紅梅が伝わるのはもう少し後のこと。その為万葉集では、雪の白さと梅の花、花びらを雪と見る歌が数多く見られます。意外なことに、万葉集で梅の香りを愛でる歌は1種のみ。「梅の香」について詠む歌が増えるのは、もう少しあとのことになります。香りに敏感な日本人なのに、少し不思議ですよね。
梅は桜とちがい、様々な種が、長い季節をかけて咲いていきます。だからか、梅には様々な別名があります。「初花草」「春告草」「氷花」「雪中君子」「香散見草」「花魁」……。春を待ち望む人々にとって、まだ雪が季節に咲きほころび始め、季節が進み、晴天の青い空のもと、光輝く白い花は、特別なものがあったのでしょう。
意識して調べてみると、「梅の名所」は思ったよりも身近な存在として日本全国に存在しています。気に入った文庫を1冊ポケットに入れて、あたたかなお茶をお供に、梅の花見と洒落こむのも、粋かもしれませんね。

☆春の早得情報☆

まだまだ寒い日が続きますが、梅は咲き、もう春はやってきています。春は出会いと別れの季節。新年度や新生活が始まる直前は、本を売りに来られる方が急増し、沢山の本が入荷いたします。お値段は在庫数によって変動しますので、春休みが始まる前にご来店頂いた方が金額UPの可能性が大きくなります。ぜひお早めにお持ちください。