【銅座店】今月の店長のオススメ(2025年9月)

読み物

タイトル
玩具修理者
著者
小林泰三
出版社
角川ホラー文庫

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、死んだ猫だって。ある日、事故で弟を死なせてしまった私は、その死体を玩具修理者の所へ運んでいき……。第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品。
本格的なホラーで、ラストはあっと驚く展開が用意されています。途中グロテスクな描写があり読み手を選びますが、クトゥルフ神話を思わせる展開は、お好きな方には堪らない世界観なのではないでしょうか。H・P・ラヴクラフトが好きな方や、ホラー好きな方にお勧めです。
表題作の他に収録されている、中編の「酔歩する男」は、ひょんなことからタイムループを繰り返すことになる男の話。こちらはホラーではなく時間SFもので、こちらも傑作です。

 

コミック

タイトル
謎のあの店
著者
松本英子
出版社
朝日新聞出版

あなたの町に「何の業種なのかわからない」「なぜ潰れないのかわからない」「外観に味がありすぎる」そんなお店はありますか?

入ってみたいけれども、ちょっと勇気がいる……そんなお店に漫画家の松本英子さんが潜入したエッセイコミックです!ガード下の居酒屋・老舗キャバレー・森の中の喫茶店などなど。「孤独のグルメ」がお好きな方には、たまらない内容ではないかと思います。

嗚呼、私も気になっていたお店に、勇気をもって潜入してみようかしら?

読むと、自分の町の小さな冒険に出掛けたくなる作品です♪

 

その他:DVD

タイトル
狂気の桜

“平成維新”を謳う組織「ネオ・トージョー」三人組と右翼系暴力団、そして「消し屋」。
渋谷を舞台に“日本人のアイデンティティの奪還”という名目のもと結ばれた張りぼての共闘関係の行きつく先はいかに……?
“平成中期の渋谷を、バチバチに尖った若かりし頃の窪塚洋介が暴れまわる”それだけで、見る価値はあると思います!「正義」を掲げながらもどこか空虚で、破壊的で、やがて自壊していく青年たち。その姿は、痛々しくも胸を打ちます。

更に、脇を固める原田芳雄と江口洋介の存在感ある演技が、またかっこいいんだ……。

平成時代のパワーを詰め込んだ作品です。池袋ウエストゲートパークのKINGを演じていた窪塚洋介がお好きな方はハマること間違いなし!