【時津店】今月の店長のオススメ(2025年8月)

読み物

タイトル
夏と花火と私の死体
著者
乙一
出版社
集英社

腰まである長い髪に、純白の服と白い肌。化粧っけのない綺麗な指先。今年高校を卒業してアイスクリーム工場で働き始めた「緑さん」は、時々幼い従兄妹の家にアイスをもってやって来ます。卓袱台の上に山と積まれたバニラアイス。長い木のスプーンで食べる、背の高いカップに入った、まるでチョコパフェのような豪華なアイス。

「九歳で、夏だった」

という一文から、この物語は幕を開けます。幼い兄妹の悪夢のような4日間は、田舎の特有の夏の日差しの強さと日陰の薄暗さの中を通り過ぎ、やがて冷んやりとしたアイスクリームのような、背筋が凍る結末へと辿り着くのです。
大人になった今、読み返すと、初読の時には大人の女性のように感じていた緑さんが、まだ18歳か19歳であったこと。そしてその物語を、作者がわずか16歳の時に執筆したのだという事実に、驚きを禁じえません。

 

コミック

タイトル
氷菓
著者
タスクオーナ/原作 米澤 穂信/キャラクター原案 西屋太志(京都アニメーション)
出版社
角川書店

『氷菓』は、米澤穂信先生による人気小説「〈古典部〉シリーズ」が原作です。2001年に小説1巻が刊行。2012年に京都アニメーションでアニメ化され、コミック1巻も発売されてから13年。コミックは今も1年に1冊程度のペースで刊行されています。小説ならではの表現も、うまく漫画化してくれている、美しくも読みやすい漫画です。 小説&アニメ&漫画のマリアージュ!コミック版氷菓は、原作にはないエピソードの追加やキャラクターの掘り下げもあり、原作ファンも、アニメファンもより深く楽しること間違いなしです!

 

絵本

タイトル
ルルとララのおかしやさん

かえでの森にかこまれたメープル通りに、ちいさなお菓子やさんがオープンしました。店長さんは、まだ小学生のルルとララです。

土曜日と日曜日だけ、二人でお菓子屋さんをひらくふたりの女の子。開店したときは、上手に作れるのはクッキーだけでしたが、おかしづくりの名人をめざしてがんばります。かわいい物語と色とりどりのイラスト、こどもたちだけでもチャレンジできる、レシピがいっぱいの、ステキな児童書シリーズです♪

本の中にあるあこがれのお菓子づくりに挑戦してみませんか?失敗しても成功しても、ステキな夏の思い出になることまちがいなしです♪