4月。冬の寒さを我慢した花が、美しく咲き誇ります。

4月18日は、ガーベラの日。ガーベラは可愛らしくて明るい雰囲気を持ち、花色が多彩なこと、寒さに強いことから、鉢花や花壇、フラワーアレンジメントなど、幅広く楽しまれています。
ガーベラ全体の花言葉は、「希望」「常に前進」。オレンジのガーベラの花言葉は、「冒険心」「忍耐」「我慢強さ」です。
「我慢強さ」という言葉には、大きく二つの意味があります。「忍耐力がある」という意味と、「我が強い」「高慢である」という意味です。現在は前者を意味して使われることが多い言葉ですが、もともとは仏教用語で、「我の慢心」……つまり、「自分の考えが一番正しいという自惚れ心」という意味で使われていました。

東日本大震災の際、海外メディアはこの「Gaman(我慢)」という日本語を使って、悲観的な現実に対して、非常に我慢強い姿勢で避難所生活を送る人々の姿を、広く世界に伝えました。英語版Wikipediaでは、「Gaman(我慢)」とは「明らかに耐え難い状況に対して、忍耐と尊厳をもって辛抱すること」と説明されています。

新型コロナウィルスの感染拡大を抑制する為、「我慢」という言葉が日本中に溢れています。感情や欲望のままに行動するのを抑え、堪え忍ぶという意味で「我慢」をするひともいれば、自分が一番正しいと思い込み、自分の意見を押し通す「我慢」をするひともいるように感じます。

景気が冷え込み、つらい時期を迎えていますが、寒さを我慢した花が、美しく咲き誇ることができるように……いい意味での我慢強さを心に持ち、希望を持って前に進んでいきたいですね。明るい花色で周りを照らし、すっきりと背筋を伸ばしたガーベラのようになりたいと切に願います。

本は心のご飯です。様々な知識、思い、心の持ちようを、本は教えてくれます。色々なことを深く感じる今だからこそ、心の栄養を補給しませんか。

毎日のごはんづくりを助けてくれるレシピ本、居心地の良い家を作るインテリア雑誌や整理整頓指南書、気持ちを豊かにしてくれる音楽、楽しく遊べるゲームなど、ほんだらけには色々な品物がございます。ぜひお近くのほんだらけへお越しください。心を込めて、本のソムリエがあなたにぴったりの1冊をお探しいたします。

☆今月のおすすめ本☆『一汁一菜でよいという提案』

筆者:土井善晴 出版社:グラフィック社

「きょうの料理」や「おかずのクッキング」で有名な家庭料理研究家 土井善晴氏。「日常の食事は、ご飯と具だくさんの味噌汁で充分」「凝った料理は特別な日に作ればよく、日常はできる範囲でいい」という「一汁一菜」スタイルを提案します。
土井さんは、この本が出版された際にこのようにおっしゃっています。

いまの世の中、仕事をして、子育てして、家事をして、余裕なんてない。さらに旦那のほうが「いつも最低3品は欲しい」などと言っている。現実はお手上げ状態というか、できっこない。でもどれもないがしろにできない。そんなふうに困っている人が、とってもたくさんいるんです。
一汁一菜は、ちゃんと毎日続けられて、健康になんの不足もない、男女を問わない食事です。ごはんさえ炊いておけば5分もあれば作れます。そしてこの提案は、その一汁一菜を毎日の基本の型にすることで、みんなの「おかず、どうしよう?」という悩みを全部なくしてしまおうというものなんです。

本の中で紹介されている、土井さんがふだん食べている、いわゆる「茶色くて映えない味噌汁」が本当に気取っていなくって、ホッとします。レシピ本ではありません。一汁一菜という、思想、システム、美学、生き方です。この本を読んで、心の重荷を解き放ちませんか。