6月の旧称「水無月」の、意味のひとつは「水の月」。おでかけをするにはちょっぴり気おくれする雨の季節ですが、いまだからこそ出会えるみずみずしい景色があります。しっとりと水を含む空気が漂う森林。水量豊かに勢いよく流れ落ちる滝と水しぶき。さほど暑くもなく、5月とはうって変わって人気も少ないいまだからこそ、ベンチや東屋での読書体験もおすすめです。
旅先で読んだ本の記憶は、不思議なことに、いつもよりも色鮮やかに刻まれます。その本を読むたびに、旅の思い出もよみがえる。写真を見返すよりもしっかりと、空気感まで思い起こさせてくれる。「読書」って本当に不思議ですよね。
ここに行くなら、この本がぴったりだ。この景色の中、この本を読みたいな。バッグに1冊本を入れて、たとえ読まずに持ち帰ったとしても、そういう準備の時間まで、思い出になります。遠くまでお出かけをしなくても、レース状の雨だれ模様がついた窓ガラスを眺めながら、自宅や喫茶店で本を読むのも楽しいものです。
雨の季節、ぜひほんだらけにお越しください。みずみずしい季節をさらにブラッシュアップしてくれる本が、きっとあります。
全国の古本屋さんが、お客様によく言われている言葉があります。「次に来た時に買おうと思っていた本がないのですが、売れてしまいましたか?」古本との出会いは一期一会。ステキだな、と思った本が常にあるとは限らないのが、古本の世界。「おもしろそう」と思ったなら、ぜひその時に手に取ってみてください。その本はきっと、あなたの景色を、さらに色鮮やかにしてくれることでしょう。
昔読んだ本が、今になって新しい感動を与えてくれたり、1冊の本をスタートに、数珠繋ぎのように気になる本が次々に生まれてきたり。発売されたばかりの本も、100年前に書かれた本も等しく、『今』あなたと出会うことで、生まれる何かがきっとあります。読書って、本当に楽しくって、おもしろい!
ただ、古本との出会いは一期一会。ステキだな、と思った本が常にあるとは限らないのが、古本の世界。「おもしろそうだな」と思える本と出逢ったなら、ぜひ手に取ってみてください。その本は、あなたを新しい世界へ誘ってくれる本かもしれません。