5月に旬を迎える蓬(よもぎ)。よく見ると道端でも見かけるこの身近な野草は、「飲んでよし、つけてよし、浸かってよし、嗅いでよし、燃やしてよし」の「万能薬」です。
その音を一音ずつ紐解くと、「善萌草(よく萌え出でる草)」または「善燃草(お灸にするとよく燃える草)」が語源であると読み解けます。
よもぎは、踏みつぶされ、引きちぎられても、日当たりさえよければ滋味が薄い土地でもよく育ちます。その優れた生命力にあやかろうと、子どもを祝う日に餅に練りこんで食べさせたことが、よもぎの草餅やよもぎ団子、菱餅(三色のうち緑の部分)の由来と言われています。
清少納言も『枕草子』で、蓬のフレッシュな香りが漂うような文章を書き記しています。
五月ばかりなどに山里にありく、いとをかし。
草葉も水もいと青く見えわたりたるに……
蓬(よもぎ)の、車に押しひしがれたりけるが、
輪の回りたるに、近ううちかかりたるも、をかし。
五月ごろ、山里に出かけるのはたいへん風情がある。
草葉も水も、とても青く一面に見える中……
蓬が、牛車に押しつぶされたものが、
車輪がまわるにつれ、近くまであがってくるのも、心惹かれる-
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