「かき氷」が恋しい季節がやってきました。

夏がはじまり、まだどこか淡さを残した日差しが、軒先に揺れる「かき氷」の旗を輝かせます。最近は年中営業するかき氷専門店も増えてきましたが、いつも目にする喫茶店や、街角にある甘味処で「かき氷」の旗を目にすると、夏の到来を強く感じます。

清少納言は、枕草子の中でかき氷のことを「あてなるもの(上品なもの)」「削り氷にあまづら入れて、新しき金鋺に入れたる」と表現しました。

冷房などない平安時代。氷室から出した氷の塊を小刀で削り、薄い金色がかった天然の甘味「甘葛(あまづら)」をかけ、新品の金属製の器に盛る。氷で白く冷えた器を手にするのは、高貴な人しか味わえない贅沢だったことでしょう。最近は年中手に入れることができるかき氷ですが、暑い夏の空気も含めての「ごちそう」です。今年はしっかりと夏を満喫したいですね。

背筋をぞくぞくさせる怪談や妖怪の本。夏の夜空を楽しむ天体観測の本。虫や野鳥の本。目にも美しい夏野菜のレシピ本、燦然と輝く名作文庫など、夏をより一層楽しむ糧になる本が、ほんだらけにはございます。ぜひ一度お近くのほんだらけにお出かけください。本のソムリエが、あなたにぴったりの本をご用意してお待ちしております。

 

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