9月12日は「宇宙の日」。

宇宙というと、なんとなく西洋から日本に入ってきた概念のような気がしませんか。でも実は東洋では、アインシュタインの時代よりも、はるか昔……。紀元前8世紀~3世紀頃には、時空原理に通じる概念や、パラレルワールドのような概念をすでに作り上げていました。

「宇」は「空間」、「宙」は「時間」を意味する漢字で、「宇宙」という組み合わせで「三次元空間(上下前後左右)」と「時間(過去・現在・未來)」すべてを意味します。
「宇宙」の記述は、『尸子』『荘子』『淮南子』といった文献で見つけることができ、道教の祖・荘子は、「夢の中の自分が現実か、現実の方が夢なのか」という、平行宇宙(パラレルワールド)の概念らしきものを「胡蝶の夢」という逸話の中で叙述しています。

日本でもっとも古い「宇宙」の言葉が使われた文献は『日本書紀』です。
―スサノオノミコトは乱暴が過ぎて、宇宙を追い出されてしまった。
この場合の「宇宙」は、アメノシタと読まれ、天下や国家、つまり世界という意味を表しました。日本で本格的に宇宙論が論じられるようになったのは、明治維新以降となります。

古いようで、新しい。よく知っているようで、まだまだ分からないことが多い「宇宙」。

そんな、宇宙・空・天体に関する本がほんだらけにはございます。9月は長月。十五夜や宇宙の日などで、何かと縁が深い宙の世界。秋の澄んだ空の下で、はるか遠くにある星や雲に想いを馳せてみませんか?