花の便りも盛りを迎え、テレビやSNSの画面も桜色に染まります。日本人の心をつかんで離さない桜ですが、細かな種を合わせると数百以上も存在します。あなたはどの桜が好きですか? そう聞かれて、まず思い浮かぶのが染井吉野だという方も多いと思います。
日本全国の桜のうち約80%を占め、最も身近な桜ともいえる染井吉野ですが、そのすべてが、1本の親木に由来するクローンだということをご存じでしょうか。観賞用に生み出された人工的な品種で、接ぎ木という手段を取らないと生まれることが出来ず、樹齢も60年ほどと短命な品種です。同じDNAだからこそ、同じ環境下では一斉に花を咲かせ、一斉に散るその姿。全国に広がるものの、人の手を介さないと生きられず、他の桜に比べ儚い命。
それでも、多くの人々に愛されたからこそ、これほど全国に息づいているのだと思うと、強い生命力や人とのつながりも強く感じさせます。短命といわれている染井吉野ですが、人の手が適切に加わり続けていれば、その寿命を延ばすことが出来るそうで、桜の名所弘前城には、樹齢100年を超える染井吉野が300本以上もあります。
染井吉野と「古本」は似ていると思います。美しいけれど、儚く、人々によって世界中に広がる。本来はすぐ儚くなってしまう存在だけれど、適切に手が加わり続けていれば、その命は長い……。本来儚いものだからこそ、「古本」というものの姿は美しいのだと思います。あなたも、「古本」を作り出しませんか?新品で買った本も、ほんだらけに売っていただければ、それは「古本」になります。そしていつか、他の人の手に渡ったり、リサイクルされたのち、地球の営みに戻ったりしていくのです。
人と本、地球とのつながりのお手伝いができる場所。それがほんだらけです。