「ぼくがかんがえたさいきょうのたんていしょうせつ」というセリフが聞こえてきそうな、芦部拓さんの遊び心とリスペクトに溢れた作品です。
大阪の老舗薬種商の本家・元祖争いから引き起こされた惨劇を、金田一耕助・明智小五郎が推理する表題作のほか、東西の探偵ヒーローたちが1933年サンフランシスコの「ホテル・ミカド」で起こった殺人事件に集結する「≪ホテル・ミカド≫の殺人」などを収録した、七編の短編小説集です。
昭和初期の世界観、要所要所にちりばめられた横溝正史・江戸川乱歩をはじめとする作品やキャラクターへのパスティーシュ(模倣・借用・混成)が、ファンにはたまらない内容となっております!
古き良き昭和のラブコメ!主人公がふたりの女の子の間で揺れ動いて…という直球展開ですが、あだち作品にイメージするスポーツ要素がないので何だか新鮮です。
今見ても可愛い。やっぱり女の子が魅力的。はじめて読んだとき、どちらのヒロインを応援するか迷いました。今読んでも…やっぱり決められません。
「1億人の昭和史」は、昭和50年(1975年)年にスタートしたムックシリーズです。
「表紙にみる川端康成全著書集」では、その日本的美意識が、装幀家による表紙にも生かされていることが一見にしてわかり、「新聞小説連載さしえ傑作選」では、モノクロならではの美しさにため息をつき…。大正生まれの佐藤愛子先生が、「期待の新人作家」としてプリプリにお若い頃の写真が掲載されており、そうか。そうだよなとなぜか膝を打ちました。
この本自体が昭和52年に発行されたこともあり、そのビビットな色遣いや、着物をお召しになった写真、なつかしい広告など、ムック全てが持つ空気感で、昭和を堪能できます。