夏の終わりに読んでいただきたい、ひと夏の友情を描いた物語です。
「人が死ぬ瞬間を見てみたい」という好奇心から、町はずれに一人暮らしをする老人の「観察」を始めた三人の少年たち。老人と少年たちの奇妙な関係は、やがて忘れられないひと夏の不思議な友情へと形を変えてゆく……。捨てたように暮らしていたおじいさんが、少年たちとの交流で活気を取り戻してゆく姿、そして少年たちがおじいさんとのふれあいを通じて、抱えていた悩みと少しずつ向き合ってゆく姿が、夏の明るい描写と共に描かれています。そして夏の終わりと共に迎える、切ないラストシーン……。
暑さの残る9月にぴったりな、瑞々しい感動にあふれた作品です!
著者であるつげ義春を連想させるキャラクターが、淡々と一人称で語る短編を集めた自伝的作品集。
いくつもの職を転々とした末に漫画家となった著者の少年~青年時代が垣間見えます。
「メッキ工場で働いていたけれども肺をおかされて立ち上がることすらできなくなった元工場長」「長靴に硫酸が入り込んで負った大やけど」など、なかなかに悲惨なシーンがあっさりと、しかしどこか物悲しく描かれており、つげ義春独特の味わいを感じます。
昭和初期から中期にかけて著者が目にしたであろう、当時の日本の風景をリアルに感じることができる資料としても、価値の高い作品です。
防災士でイラストレーターの著者・アベナオミさんが、東日本大震災の経験をもとに「被災時に欲しかったアイテム」「被災後に始めた習慣」「復興するまでの被災地の状況」をイラストとともにわかりやすく解説してくれています。
台風・地震・さらにはコロナ罹患による突然の療養など、いつくるかわからない「突然の事態」に備えるために手元に置いておきたい1冊です。