水の気配を強く感じる季節です

6月になりました。6月の和風月名『水無月』は、『水の月』を意味するという説もあります。その名の通り、しとしと、じめじめ、ぽとぽと、ざあざあと、とかく水の気配を強く感じる季節です。

洗濯物が乾かない、鬱々とした湿気がつらい、こんなところにカビが……!など、少しマイナスの気分になってしまうこともありますが、世界的にもめずらしい、豊かな水に恵まれた国にいる以上、せっかくなら水の季節を楽しみたいものです。

コロナ禍以降、全国各地の寺社で、「手水舎の水盤」に水をはり、彩り豊かな季節の花を飾る「花手水」という文化が広がりました。花手水とはもともと、「水がない時に、代わりに草花や葉についた朝露をつかって手を清める作法」のことを言いますが、禍のなか、目にも心にも優しい、時代を反映した素敵な文化が定着したなあと感じます。

花手水を、自宅で楽しむ人々も増えてきているようです。好きな器やたらいに水をはって、好きな花を浮かべるだけ。これなら、だれでも水の季節を涼やかに楽しむことができますね。

苦しい時期がきっかけになったとはいえ、目にも心にも優しい様々な文化が、わたしたちの世界にしっとりと浸透しています。

ほんだらけには、心に豊かな水をたたえ、そして花を浮かべるように、心の栄養になるステキな本がございます。しとしとと雨が降り、昼間でも淡く水色に陰った休日。自宅やお気に入りのカフェで、本の頁をめくる時間は、きっとあなたに静かで豊かな彩を与えてくれます。

本のソムリエが、ステキな本を取り揃えて、あなたをお待ちしております。