色めく秋の、色のない寂しさ

まだまだ暑い日が続きますが、日の入りが少しずつ早くなってきました。夕日の色もどこか落ち着きを見せ、夜になると虫の音が響きはじめます。

寂しさは その色としも なかりけり 真木立つ山の 秋の夕暮れ (寂蓮『新古今和歌集』)

(寂しさは、はっきり目に見える色や形ではなかったのだなあ。
秋の華やかさもない、常緑樹が立つ山の、秋の夕暮れが内包する、この寂しさよ)

秋と言えばまず「紅葉」が思い浮かぶ方も多いと思いますが、たとえ秋らしい華やかさがなくても、そこここに秋らしさは潜んでいます。その場所、その時にしか感じられない空気感というものは不思議なもので、目には見えなくても、しっかりとそこに存在しています。少しずつ忍び寄ってくる秋の気配を感じながら、本の頁をめくってみませんか。趣深い名作や、想い巡らす名著を読むなら、秋がぴったりです。

ほんだらけには、時代を生き抜いてきた名作や名著がたくさんございます。初秋、仲秋、晩秋と、少しずつ変化していくように、ほんだらけも少しずつ変化しています。いつか読もう、と思いながら読んでいなかった本たちに出会いに、ぜひほんだらけへお越しください。本のソムリエが、自信を持ってステキな作品をご紹介しております。